なぜ最初に肩甲骨を外転させるのか?|木下式肩甲骨はがし理論①
「肩甲骨はがし」と聞くと、多くの方は肩甲骨の内側へ指を入れて、肩甲骨を浮かせる施術を想像するのではないでしょうか。
実際にそのような施術を目にする機会も少なくありません。
しかし、木下式肩甲骨はがしでは最初に行うことが違います。
最初から肩甲骨へ指を入れることはありません。
まず最初に行うのは、肩甲骨が自然に動きやすい状態をつくることです。その理由を、身近な「引き出し」を例にご説明します。
引き出しが開かないときと同じです。

なぜ最初に肩甲骨を外転させるのか?
木下式肩甲骨はがしでは、施術の最初に肩甲骨を外転させます。
「肩甲骨はがしなのに、なぜ最初から剥がさないの?」と思われるかもしれません。
その答えは、開かない引き出しを想像すると分かりやすくなります。
引き出しが引っ掛かって開かないとき、多くの人は力いっぱい引っ張ろうとします。しかし、それではレールに余計な力がかかり、さらに動かなくなることがあります。
そんなときは、一度軽く押し戻してレールの位置を整えると、驚くほどスムーズに開くことがあります。
木下式肩甲骨はがしも、この考え方と同じです。
肩甲骨が動きにくい状態で無理に剥がそうとするのではなく、まず肩甲骨を外転させて位置関係を整えます。
すると肩甲骨と肋骨の間の滑りが生まれ、その後の動きがスムーズになります。
木下式が最初に外転を行う理由は、「力で剥がすため」ではなく、「肩甲骨が自然に動ける準備をするため」なのです。

木下式肩甲骨はがしは3つの動きを大切にしています
木下式肩甲骨はがしでは、「肩甲骨を剥がす」という一つの動作ではなく、「外転 → 内転 → 牽引」という一連の流れを大切にしています。
最初に肩甲骨を外転させることで、肩甲骨と肋骨の滑りを作り、動きやすい状態へ導きます。
次に、一度肩甲骨を内側へ戻します。この動きには、肩甲骨をしっかりと支え、無理なく保持するという目的があります。
そして最後に牽引を行うことで、肩甲骨は肋骨の上を滑るように大きく動きます。
木下式肩甲骨はがしでは、この順番を大切にしています。
最初から強く引っ張るのではなく、肩甲骨が自然に動ける準備を整えてから牽引することで、身体への負担を抑えながら、本来の動きを引き出すことを目指しています。
一つひとつの動きには意味があります。だからこそ、木下式では「肩甲骨を剥がす技術」ではなく、「肩甲骨を正しく動かす技術」と考えています。

指を入れるのではなく、肩甲骨が自然に乗ってきます
木下式肩甲骨はがしでは、「肩甲骨の内側へ指を入れること」を目的にはしていません。
施術の目的は、肩甲骨が本来の動きを取り戻せる状態を作ることです。
前の章で説明したように、最初に肩甲骨を外転させ、次に肩甲骨をしっかり支えながら牽引すると、肩甲骨は肋骨の上を自然に滑り始めます。
すると、施術者が無理に指を押し込まなくても、動き始めた肩甲骨が自然に指の上へ乗ってきます。
これは力任せに隙間へ指を入れた結果ではなく、肩甲骨が本来の動きを取り戻した結果として生まれる現象です。
だから木下式肩甲骨はがしでは、「指を入れる技術」ではなく、「肩甲骨が自然に動く環境を作る技術」を大切にしています。
肩甲骨が動けば、無理に押し込まなくても結果として肩甲骨は大きく動きます。これが木下式肩甲骨はがしの基本的な考え方です。

力任せではなく、身体の動きを利用することが木下式の基本です
木下式肩甲骨はがしが大切にしているのは、力で肩甲骨を剥がすことではありません。
人の身体には本来備わっている自然な動きがあります。その動きを妨げるのではなく、うまく利用することで肩甲骨は無理なく動き始めます。
力で押し込もうとすると、身体は防御反応を起こし、筋肉が緊張してしまいます。すると肩甲骨はさらに動きにくくなり、施術を受ける方も痛みや違和感を感じやすくなります。
一方で、身体の動きに合わせて肩甲骨を誘導すると、筋肉と戦う必要がありません。肩甲骨は自然に動き始め、施術者も必要以上の力を使わずに施術を行えます。
木下式肩甲骨はがしは、「肩甲骨を剥がす技術」ではなく、「肩甲骨が自然に動ける環境を作る技術」です。
だからこそ、最初に肩甲骨を外転させ、身体の動きを利用しながら施術を進めることを大切にしています。
これが、1998年に整形外科のリハビリ現場で学び、その後20年以上の経験の中で磨き上げてきた木下式肩甲骨はがしの基本的な考え方です。
著者プロフィール
木下友希(株式会社INBEX 代表取締役)
1998年、整形外科のリハビリ現場で肩甲骨の重要性を学ぶ。
2008年に国際東洋医療専門学校を卒業後、リラクゼーション業界へ。2013年にこりすっきり井辺店を開業。
現在は木下式肩甲骨はがしの考案者として、技術開発・施術・情報発信を行っています。

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